ブランケット
あたしの想いも虚しく、すぐに手首を掴まれた。
そう…なんでも出来る御津は体育の成績だって良いんだから。
「…は…離して。」
「何で?」
こっちはこんなに息が上がってるのに、御津はケロリとしてるし。
「別れたい理由は?」
御津は真っ直ぐ、あたしに聞いていた。
逃げる事を許さないかのように、手首を掴んで。
「…別れるも何も。あたし達、もう自然消滅みたいになってたじゃない。」
真っ直ぐ聞く御津に負けたくなくて。
「は?」
最後ならいっそのこと、愚痴も全部言ってやろう。
「御津は違う女子と二人きりで返って、あたしとは目も合わせなかったクセに。」
言い逃れは出来ない。
“事実”だから。
「告白だって、誰でも良かったんでしょう?告白されるのが鬱陶しくなってあたしなら、何も求めてこないから、こいつで良いやって思ったんでしょう?」
所詮はその程度。