ブランケット
壬室くんは少し顔を上げて、ぼーっとする。
兎に角起きてくれて良かった…え?
また寝てる。
「…あの壬室くん。」
「…」
「そんなに眠いの?」
ずっと聞いてみたい事だった。
壬室くんはまた起きて、額に手を当てる。
「…教科書ない。」
…はい?
急に出された呪文みたいな言葉に、私は反応していた。
自分の教科書を壬室くんの机の間に置く。
それから、何故か奇跡的に壬室くんは起きていた。
起きながら寝てるのかとも思ったりした。
だって、ノートも何も出さずに教科書をぼーっと見てるだけだから。
…摩訶不思議な人。