ブランケット

悩んでる内に、私の体は動いていた。

「お願いします。」

考えるよりも行動。

驚いたことに、マネージャーは私と三年女子の桜木(サクラギ)先輩の二人だけだった。

江鳩先輩目当ての女の子が沢山いると思ってた。

「あぁ、それね。でも、サッカー部のマネージャーは、うちの高校じゃ一位二位を争う大変さだから。」

体育倉庫で用具の説明を聞いてる時。

桜木先輩はそう言う。

「大変…なんですか?」

考えるよりも行動な私は早くも逃げ腰。

「試合が他の部よりも多いからね。だから江鳩も大変なのよ。」

あはは…と陽気に笑う桜木先輩。

止めたい気持ちがない訳じゃない。

でも、

「今年は高倉(タカクラ)さんが入ってくれて良かった。あたしは今年卒業だから、来年からマネージャーいなくなっちゃうからね。」

その言葉に、もう逃げられないのだと知る。



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