ブランケット
本当に大変だった。
目の回る大変さ…だったと思う。
「新しいマネージャー?」
くたくたになって、新しいユニホームのチェックをしている時、部室に誰かが入ってきた。
お茶ですか?と聞こうとする前に、
「今度の試合、部員の代わりに俺が出たいんだけど。」
…部員の代わり?
私は部室の扉の方へ目を向ける。
どうやら、お茶を求めて部室へ帰ってきた部員ではないらしい。
「…あ。」
「ん?」
思わず開きっぱなしになる口。
江鳩先輩、だった。
遠くからは見た事があるけど、こんなに近くなのは初めて。
ピアスも髪も染めてないけど、根っからのイケメンらしい。
格好良い顔に暫く見惚れていた。