ブランケット
居ない。
こういう時にどうして居ねぇんだよ。
「さっき、トイレに。」
ソレを察したのか、アキヒトさんは言う。
…すごく困る。
「…那瑠。機嫌良いね?」
『変な顔』になるのは当たり前だ、と思いながら問いかける。
「すごく良い。なんかすごい苛々する!」
言ってる事、意味わかんねぇし。
完全にぶっ壊れた那瑠は俺の腕から離れようとしない。
「腕離した方が良い。」
俺が良壱にとばっちりを食うかもしれない。
「嫌。」
「は?」
「良壱、ずっと前可愛い子と一緒に歩いてたし。最低、最悪。」