ブランケット
怪しく光る看板。
…ホテルじゃん。
あれ、ここ良壱の家だっけ。
違うよね?
ラ…な訳ない。
「…なんでここ?」
熱い。
体の奥まで熱い。
良壱は少しこっちを向いて、意地の悪い顔。
「お前が行きたがってたとこ。」
「…あぁ?」
思わず、凄む。
あたしがいつ、こんなとこに行きたいって…言った…言った気もする。
『ラブホってどんなとこ?』
ただ、何となく聞いたその言葉を何故…。
何故覚えているの?
過去を思い出している場合なんかじゃない。
ドアノブが回る音がしてハッと我に返る。
目の前には、ぐらりとするような内装。
…もういいって…。