ブランケット

急ブレーキがかかって、車が停まる。

それでも車体を打ちつける音は変わらない。

飛び出すように車から降りた茨。

「─…てめぇらっ…─」

同時に降りた男達と共に怒鳴りつける。

亜利哀は静かに運転手と車の中で待った。

「…御嬢様。」

「何?」

道であるというのに、喧嘩をしてる外は気にしない。

「次のパーティーには御出席なされるのですか?」

「…さあ?」

疑問形を疑問形で返すのは亜利哀の得意とする事だった。

本音のところ、出るつもりは全くない。

全くなくとも、駆り出されるのだから自分は答えを出さない。



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