ブランケット
一種の諦め。
外が静かになった。
茨はまた車に乗り込む。
「ちょっと、近付いて誰のか分からない血つけないでよ。」
隣に座る茨に亜利哀は容赦なく言った。
「はいはい、御嬢さん。ねぇ近くのホテルで降ろしてよ。」
運転手に軽口を叩く。
繁華街の入り口にさし掛かったところで、亜利哀は窓の外を見た。
あの姿は、大原雨水。
同じ中学に通う、最近話すようになった女子。
「死ね」と言われたら、本当に死んでしまいそうな…儚い子。
何故この時間に雨水がここに?
夜遊びはしないように見えたけど実は…なんて事はなく、普通の服を着ているし。