ブランケット
…止めて欲しい。
寧ろ、この状況で自分を邪魔だと言ったオウ君を恨みたい。
「戻らなくていいの?」
「戻って欲しいのか。」
言った言葉とは裏腹に手が出る。
行って欲しくない。
朝貴の服を掴む手。
「体はこんなに素直なのにな。」
…うん?
溜め息混じりに声を出す朝貴を見上げる。
そしたら、片手で抱き寄せられた。
「…人来るかもしれないよ?」
階段の踊場の隅で抱きしめあう二人。
「見せつけとけよ。」
…くだらない事を考えすぎた。
どうして、遊びだなんて思ったんだろう?