ブランケット

可愛げのないその一言を心の奥に隠し、あたしは後ろを向く。

「おはよ」

その言葉に一安心。

あたしと千晴は、恋人じゃないと思う。

だって、お互いに「好き」って言った事ない。





都会か田舎かって、どっちかと言えば田舎。

そんな街に、美人が居たらまず知らない人間は少ない。

「好きです。付き合って欲しい」

あたしは、今日先輩から告白を受けた。

バスケ部だかなんだか知らないけど、イケメンと言われてる先輩。

…名前最初に言って欲しいんだけど。

「どこが?」

生憎、あたしはそんな願望を押し付けられて付き合うほど、軽くない。



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