ブランケット

「え?」

「あたしのどこが好き?」

「笑顔…とか」

笑っちゃう。
笑顔、とかありきたりな事言う?

あたしの何を知って、笑顔が好きとか言うの?

「あんた…何様のつもり?」

ムカつく。
怒りにも似た感情が、めぐる。

すぐに先輩は教室から出て行った。

ふられるのを分かっているのに、どうしてああいう馬鹿はいなくならないんだろう?

あたしも教室を出る。

「美人ってマジで性格悪ぃんだな」

目の前に立つ人に言われた。

まだ先輩が立っていたのかと思って、見上げれば。

少しの笑顔を零した美形で学年では有名の悪。

桜ヶ峰千晴が立っていた。



< 83 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop