ブランケット
「え?」
「あたしのどこが好き?」
「笑顔…とか」
笑っちゃう。
笑顔、とかありきたりな事言う?
あたしの何を知って、笑顔が好きとか言うの?
「あんた…何様のつもり?」
ムカつく。
怒りにも似た感情が、めぐる。
すぐに先輩は教室から出て行った。
ふられるのを分かっているのに、どうしてああいう馬鹿はいなくならないんだろう?
あたしも教室を出る。
「美人ってマジで性格悪ぃんだな」
目の前に立つ人に言われた。
まだ先輩が立っていたのかと思って、見上げれば。
少しの笑顔を零した美形で学年では有名の悪。
桜ヶ峰千晴が立っていた。