ブランケット
実際、私は泣いていた。
「うわ、泣くな泣くな。サッカー部は俺がいなくても負けないって。」
「…っ違います。」
先輩がいなくなってしまうのが寂しい。
気づいてよ。
「先輩…行かないで下さい。私…。」
分かってる。
私が止めた所で、先輩は引っ越すのを止めない。
「…俺も寂しいよ。」
悲しそうな顔で江鳩先輩は言った。
「でも、この学校で過ごした毎日は変わらないでずっと残ってるだろ?」
頷いた。