ブランケット

ずりずりと芙柚をベッドから引きずりだし、バタバタと学校に行く。

芙柚の母さんはのんびりと手を振っていた。

絶対、自由気ままな性格は母譲りだと思う。

「セーフ…」

チャイムとほぼ同時に教室に駆け込み、席についた。

学校では、俺等は他人になる。

高校に入ってから、芙柚は学校で俺と一緒にいる事を、避けるようになった。

…朝は一緒に来るくせに。






今現在もそうだ。

同じ大学に入った俺を悉(コトゴト)く芙柚は避けてくる。

「…心が折れそうなんだけど」

実際、それに強く堪えていた。



< 99 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop