ブランケット
ずりずりと芙柚をベッドから引きずりだし、バタバタと学校に行く。
芙柚の母さんはのんびりと手を振っていた。
絶対、自由気ままな性格は母譲りだと思う。
「セーフ…」
チャイムとほぼ同時に教室に駆け込み、席についた。
学校では、俺等は他人になる。
高校に入ってから、芙柚は学校で俺と一緒にいる事を、避けるようになった。
…朝は一緒に来るくせに。
今現在もそうだ。
同じ大学に入った俺を悉(コトゴト)く芙柚は避けてくる。
「…心が折れそうなんだけど」
実際、それに強く堪えていた。