雪の日に会えたら.
恒輝-side-
正直、今日始業式を
寝過ごすと思わなかった。
起きたら携帯に
友達からのメールが
たくさんきてたし。
しかも始業式だったわけ
で、学校行ったら
案の定終わってた。
クラスには入りにくいし
…入って即今日は
終わりだったし。
本当、俺って朝弱いよな。
「恒輝ー、お前またかよ。」
「りっくんそれ禁句ー」
話掛けて来たのは友達
でクラスが同じの
秋山陸と赤井拓海。
「まじビビったわ」
「来たら即帰りとか…サボればよかったのに」
サボるって…
「陸じゃないんだからサボるとか考えなかった」
「ははっ。確かに。あ、俺今日バイトあるから一緒に帰れないや!」
拓海バイトか。
「んー、了解。陸は?」
「俺は彼女とデート」
「分かった。んじゃ、俺帰るね」
「恒輝じゃーねー。…りっくん彼女出来たんだ。」
「まぁね。」
後ろから2人の会話が
聞こえたけど
俺は教室から出て
駅へと歩いた。
電車に乗り込み
出発を待つ。
まだ出発まで時間がある
からか、
周りにあまり人がいない。
やべぇ。
まだ寝足りなかったのか
眠い。
…まだ出発しないし、
寝るか。
ウトウトと俺は夢の中へ
と吸い込まれていった。
「ぁっ」
揺れる電車が心地よくて
不意に隣で聞こえた
小さな女の声には
気付いたけど瞼が開かず、
睡魔には勝てなかった…。
そのまま俺は
深い眠りについた。