雪の日に会えたら.
「次は新宿ー、新宿。お出口は左側です」
…ん?新宿?これは…
夢か?
俺は寝てたせいか、
現実と夢がごっちゃに
なりよく分からなくな
っていた。
…!?夢じゃねぇ!!
降りないと。
「やっべ!!」
現実だと気が付き、
鞄を乱暴に持ち慌てて
席を立った。
が、近くに座ってた
人にぶつかり携帯を
落としてしまった。
「ぅわっ!!すいません…あ、ストラップ…」
やっちまったー!
すぐに謝り、
携帯を拾い上げた。
…とっ、よかったぁ。
携帯は壊れてない…けど
ストラップが壊れてて。
こりゃぁ、弁償か?
どうしたらいいんだ?
そう考えてたら何だか
視線をかんじ、
顔を上げた。
女と目が合い、慌てた
様子で
「ぁ、大丈夫だよ。携帯は無事だし、ストラップなんかまた買えばいいから」
と少し恥ずかしそうに
言った。
「え、でも…」
さすがに壊しちゃったし
やばいよなぁ。
大事なものだったりして。
「本当に気にしないで。もう古いものだし」
「え"。じゃあもう同じのないんじゃ…」
どうしよう。
困っていると女は急に
何かに気付いたような顔
をして
「!?ってか宮本くん、電車行っちゃうから本当に大丈夫だよ!!」
「本当だ。あ、じゃあ名前って…」
確かに、
電車はもう出そうだ。
とにかく、名前だけ
聞いてどうするかは後で
考えることにしよう。
「瑠依。相原瑠依、2年5組だよ」
2年5組??
あれ、確か俺も…
5組じゃなかったっけか?
「じゃあ…相原さん本当にごめん」
俺は相原さんに
携帯を返し、
頭を下げて小走りで
電車から降りた。
電車のドアが閉まり、
俺は相原さんを
気にしながら電車を
見送った。