春風
柚の部屋に入る。
テーブルと勉強机と
ベッドがあるだけで、
殺風景な部屋だと思った。
柚がこっちに気づく。


「何でお前…ここ…。」
「佳佑くんに訊いたの。
最近学校ずっと休んでるし
…気になって。
柚くん、昔から入院してたし…
心配だったの。」
「…帰れ。」
「何で!?」
「何ででもだよ。」


あたしはただ、呆然としていた。
何故彼に拒絶されたのか、
解らないままでいた。
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