春風
お母さんは黙っていた。
お父さんも黙っていたけど、
やがてにっこり笑って言った。

「解りました。」
「あなた!!」
「お父さん…。」
「ありがとうございます。」
「真桜、彼を呼んでおいで。
皆で話そう。」
「うん。」
あたしは跳び跳ねたく
なるほど嬉しかった。


それから、柚も交えて話した。
「お父さん…って
言っていいのか
解んないけど、
賛成してくれて
ありがとうございます。」
「これからも真桜を頼むよ。」
「はい。」
「…真桜のお母さん、
俺、認めてもらえるように
一生懸命頑張ります。
真桜を悲しませないように
精一杯生きます。
2人で歩いていきます。
だから、見守ってて下さい。」
「…真桜を傷つけることだけは
しないでちょうだい。」
「もう、お母さん!!」
「解りました。」
柚はまっすぐ
お母さんの目を見て言った。
その目に、迷いは無かった。
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