春風
その時だ。
にわかに周りが
慌ただしく
なったと思ったら、
すぐに呼ばれた。

あたしは無我夢中で
声をかけた。
「柚!!
起きて…起きてよぉ!
まだ学校デート
終わってないよ!!
やりたい事も、
たくさんあるのに…。
起きなきゃやれないよ!」

だけどあたしの叫びは、
柚に届く訳もなく、
無情にも、甲高い
機械音が鳴り響いた。


嘘だと、思いたかった。
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