極上の★スイートラバー



そんな時間も、もうすぐ終わる。


予鈴が鳴り響く校内。


それは、もうすぐ授業が始まるという事を知らせていて。




「よ…予鈴だ…」




ガクンと項垂れるあたしに、腕時計を気にする先輩。


その様子が気になって、あたしは先輩に尋ねる。




「どうしたんですか?」



「いや、これからまたライブのリハなんだよな」




そっか。先輩は人気バンドのリーダーだもんね。



ライブのリハーサルに、新曲作りに、レコーディングに、雑誌の取材。


あたしの知らない世界での仕事が、先輩には待ってるんだ。




「…せーんーぱーいーっ!」




なんだか心の中にポッカリ穴が空いた気がして、あたしは再び先輩に抱き付く。


こうしてないと、あたしの前から猛先輩の存在が消えてしまいそうで、怖かった。




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