極上の★スイートラバー



「行っちゃヤダです…」



「そんな事言われてもなぁ…」




ポリポリと頭を掻きながら、困った表情であたしを見る先輩。


迷惑を掛けてるって事は充分分かっているけど、それでも離れていってしまいそうで。




「俺、ライブまではたぶん学校来れねぇ」



「………」



「だけどさ、絶対にライブには来て欲しい。そこで新曲初披露するつもりだからさ」



「へ…?」




「新曲」という単語に心を惹かれ、あたしは先輩の胸板から顔を離す。




「お前の為に、気持ち込めて演奏するから。だから、その日まではお前一人で頑張れるよな…?」




あたしと目線を合わせるように膝を曲げた先輩は、優しくあたしに問いかける。



魔法の呪文が唱えられたみたい。



気が付けば、あたしは操られるように、何度もコクン…と頷いていた。




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