極上の★スイートラバー
「俺は、今まで気持ちをストレートに伝えた事がなくて。いや、伝えるのが苦手と言った方がいいかもしれない」
…確かに。
猛先輩はあたしのアタックを華麗に避けていくもん。
それは…
あたしに自分の思っている事を、上手く伝えられないから?
「そんな俺と似た人は、たくさんいると思うんです。だから、この曲でたくさんの人と気持ちを共感したい。気持ちを伝える事って勇気がいる事だと再認識してもらいたい。そんな想いを込めました。聞いて下さい」
そんな猛先輩の声が聞こえてきた瞬間、再び会場内はシーンとなる。
先輩がピックを持って、曲の準備をしている。
でも…何故か目線はオーディエンスの方へと向いていて。
ん?なんか違う。
その視線の先には―――
「―――新曲、スイートラバー」
あたしだけが映っているように感じるのは、気のせいかなあ?
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