極上の★スイートラバー



「俺は、今まで気持ちをストレートに伝えた事がなくて。いや、伝えるのが苦手と言った方がいいかもしれない」




…確かに。

猛先輩はあたしのアタックを華麗に避けていくもん。


それは…

あたしに自分の思っている事を、上手く伝えられないから?




「そんな俺と似た人は、たくさんいると思うんです。だから、この曲でたくさんの人と気持ちを共感したい。気持ちを伝える事って勇気がいる事だと再認識してもらいたい。そんな想いを込めました。聞いて下さい」




そんな猛先輩の声が聞こえてきた瞬間、再び会場内はシーンとなる。


先輩がピックを持って、曲の準備をしている。


でも…何故か目線はオーディエンスの方へと向いていて。



ん?なんか違う。

その視線の先には―――




「―――新曲、スイートラバー」




あたしだけが映っているように感じるのは、気のせいかなあ?




.
< 31 / 48 >

この作品をシェア

pagetop