極上の★スイートラバー



「ひゃ…っ…!」




異変が起きたのは、ライブハウスから出ようとした瞬間。


あたしはドアの横に居た男に首根っこを掴まれて、どこかへ連行されていく。


声を出そうとすると、大きな手のひらがあたしの口を覆う。


後ろに振り向きたいけれど、頭をガッチリと固定されている為、どうする事も出来ない。



もしかして、いや、もしかしなくても…

あたし、結構ヤバい状況なんじゃないの…?




「―――っ…!」




そう理解した瞬間、あたしの顔から血の気が引いていく。



…ダメだよ!人身売買は犯罪だよ!?

人として誤った道に進んじゃダメっ…!



というか、あたしなんか売ってもお金にならないよ?


そこんとこ、ちゃんと見極めなきゃ商売にならないって!



あわあわと慌て出すあたしをよそに、突然口を覆っていた手のひらが解かれた。




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