極上の★スイートラバー



「へ…?」




自分の世界に入っていたあたしは、思わずまぬけな声を出してしまう。


そっと後ろを振り返ると、肩まで捲り上げているTシャツに、ニット帽とマスクにグラサンをかけている、とても怪しい人が立っていた。



…その服装のコンセプトを知りたいよ。


夏なんですか、それとも冬なんですかって、思わず聞きたくなってしまう。




「あの…」




怪しそうな人に声をかけた瞬間、あたしはハッとした。



この人が着てるTシャツ、見覚えがある。

というか、見覚えがあるとかいう問題じゃない。



このTシャツ、さっきまで…




「来てくれたんだな」




その声と共に、グラサンやマスク、ニット帽は無くなっていく。


ニッコリ笑うその人を見て、あたしはTシャツの主を再確認する。



その主とは…さっきまでステージの上で輝いていた、猛先輩。




.
< 38 / 48 >

この作品をシェア

pagetop