極上の★スイートラバー
「へ…?」
自分の世界に入っていたあたしは、思わずまぬけな声を出してしまう。
そっと後ろを振り返ると、肩まで捲り上げているTシャツに、ニット帽とマスクにグラサンをかけている、とても怪しい人が立っていた。
…その服装のコンセプトを知りたいよ。
夏なんですか、それとも冬なんですかって、思わず聞きたくなってしまう。
「あの…」
怪しそうな人に声をかけた瞬間、あたしはハッとした。
この人が着てるTシャツ、見覚えがある。
というか、見覚えがあるとかいう問題じゃない。
このTシャツ、さっきまで…
「来てくれたんだな」
その声と共に、グラサンやマスク、ニット帽は無くなっていく。
ニッコリ笑うその人を見て、あたしはTシャツの主を再確認する。
その主とは…さっきまでステージの上で輝いていた、猛先輩。
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