介錯、請け負います
イシュタムは更に手帳の内容を読み続ける。
『堀田様は現在25歳でございますね。
まだ働き盛りだというのに。
他の仕事をやってみようとは思わないのですか?
例えば工事現場。
きっと若い力は重宝されると思うのですが』
堀田はイシュタムの提案に、呆れた顔で答えた。
「はぁ?
何で一流企業に就職したエリートの俺が、地べたを這って泥まみれになる仕事をしなくちゃならないんだよ。
そういう仕事でしか稼げない連中は、所詮まともな教育も受けてないんだ。
きっと、ロクな人生歩んでないんだろうな」
『ほう………』
堀田の返答を聞き、イシュタムの眼の輝きが妖しさを増す。
『そんな仕事に就くぐらいなら死んだ方がマシだ、と。
なるほど………
分かりました。
それでは早速、日取りと方法の段取りを打ち合わせ致しましょうか。
ここで決定した事柄は、決して他の方々に知られることはございませんので、安心してください』