介錯、請け負います
「そうだなぁ………
手っ取り早く、明日。
方法は………
苦しまずに死ねるって言われてる、風呂で手首を切る方法で行こう」
『ずいぶん急ですね。
宜しいのですか?』
「ああ。
やることが無い世界なんかに居ても仕方ないからな。
さっさとオサラバするよ」
堀田の話す内容を、素早く手帳に書き記すイシュタム。
『今話された内容に変更はございませんね?
無ければこのまま契約成立ということになりますが』
手帳に向いていた視線を堀田の方へ移すイシュタムを見て、堀田は間髪入れずに頷いた。
「ああ、いいぜ。
これで楽に死ねるのか……
あれ?
ところであんた、俺の自殺の介錯をプロデュースするとか言っていたけど、あんたは具体的に何をやってくれるんだ?」
『ああ、それでしたら………』
手帳に挟まれた一枚の紙を取り出したイシュタムは、それを堀田に渡しながら言った。
『自殺される方の自殺決行希望日時、そして方法は御本人の意思を尊重して決めて頂きました。
私の仕事はその後………
つまり貴方様の死に様を決めることです』
紙を受け取った堀田は、
「………なっ!?」
そこに書かれていた内容に愕然とした。