介錯、請け負います
「……………」
茫然とする堀田。
『そうですか。
私が考えた死に様のプラン、言葉にできない程に感動して頂けましたか。
恐縮の極みで……』
「な……んだ、これは!
こんなシナリオ、気に入る訳がないだろう!!
今すぐ直せ!
さもなくば契約破棄だ!!」
『大変申し訳ございませんが、一度交わされた契約は絶対に破棄することはできません。
なにしろ『死ぬ』という行動は、絶対にやり直しが効かないものですから………
そもそも貴方様は、誰にも知られずにこの世から消える身でありながら、何故『死』を選択した後の心配をする必要があるのです?
生きていれば、必ず選択肢は幾つもあります。
しかし自殺………
生きている者が絶対に犯してはならない『自分という人間を殺す』という重罪を行った者が向かう場所は、一つしか残されていないのです』
イシュタムの包帯の切れ目の口がニヤッと歪む。
その不気味さに、堀田はゴクリと唾を飲み込んだ。
「そ、それはまさか………」
『そう、地獄です』