82歳、ベッドの上で
おばあちゃんは
私に向かって
『若い子だね。…どなた?』
え…?
『お母さん
分からないの?』
『おばあちゃん!!私だよ!!』
泣きそうになりながら
少し声が大きくなる
『あぁぁあ…
大きな声を出さないで』
おばあちゃん…
おばあちゃん…
その言葉で全てを
否定されたような気がした
私が誰か分からず
大声を出した若い子
そんな認識しかないんだ
でもその認識すら
曖昧だったことを知る