82歳、ベッドの上で


『あぁ、こんにちは

可愛らしい子ね』


おばあちゃんの
優しい笑顔



私も笑顔を返す



大丈夫
おばあちゃんの笑顔
変わってないもん



ふとおばあちゃんが言う



『今日は天気がいいわね』



病院の窓はくもりガラス

しかも今日はあいにくの雨



『おばあちゃん
今日は雨だよ?』



『そんなことない!!
とってもいいお天気よ!!

どうしてそんな
意地悪言うの!!』



え、意地悪…?
おばあちゃん…?




突然大声を出した
おばあちゃん



私はびっくりして
慌ててしまう





看護師さんが
様子を見に来てくれた


私は看護師に伝える
おばあちゃんが…


すると看護師さんは
教えてくれた



『おばあちゃんのお話

うんうんって
聞いてあげてほしい

ちょっとおかしいなって
思う内容でも

おばあちゃんは普通の
ことだと思っているから

違うよっていっぱい
言われたら悲しく
なっちゃうからね』



私も自分の話を
否定されたら悲しい



話の内容が通じない

物の名前を間違える


そんなことが
増えるのだから


ストレートに否定しては
いけないんだ




初めて知った私は



おばあちゃんのことも
ひとつ知ることができた




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