虹に降る雨〜瞭の想い〜
「にやけてる?」


「おぉ、すっげぇにやけてる。」


着替えてストレッチを始めた塁が、俺を見ながら意味ありげに笑った。


「なぁ、みわちゃんだっけ?」


「何?」


「親友としては、いい加減紹介してもらってもバチは当たらねぇと思うんだけど?」


「ま、そのうちな。っていうかお前もう逢ってるし。」


先輩グループのバラエティ番組のロケで、たまたま入った雑貨店。

そのロケのおかげで、危うく壊れるところだった俺たち。


「どこで?いつだよ?覚えてねぇよ。」


アキレス腱を伸ばしながら、思い出そうと首を捻っている。


「記憶にねぇ!思い出してぇ!」


叫びながらでんぐりがえりを始めた。




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