虹に降る雨〜瞭の想い〜
寂しくないから………。










なんだかわからないけれど、胸の隅っこが、きゅっとなった。









寂しい思いをさせている?

絶対に言わないけれど、我慢させている?

一緒に過ごした3日間。

ずっと笑って過ごした3日間。

幸せな3日間。

なんの不満もない。

彼女の笑顔が俺の幸せの元だから。


「大好き。」


昨夜、明かりを消したベランダで小さく呟いた。


「美羽?どうした?」


その呟きは、俺に向けられたものではなかった。

何かを確認するように、少しだけ、それは、本当に少しだけ、寂しそうで、哀しい呟きだった。

暗い空を見上げる瞳が、今にも水を溢れ出させそうで、体が自然に動いていた。



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