虹に降る雨〜瞭の想い〜
「やめたいはずないじゃん。寒いけどここが良いんだ。」


本当は、もっと我が儘言って欲しい。

朝すら逢えない日が続いても、約束が守れなくても、いつもいつも我慢ばかりだから。

一分でも一秒でも逢えるなら、寒さなんか気になるわけがない。

明日も、ここで逢おう。


「うん。」


安心したように頷いた。

明日も明後日もその次も……。

二人の一日はここから始まるから。










「瞭、生きてるか?」


「あ?なに?」


「中村さん、こいつ死んでます。」


「みたいだな。」


車の中、運転しているマネージャーの中村さんと塁が俺に冷たい視線を送った。

もちろん、中村さんはバックミラー越しに。




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