虹に降る雨〜瞭の想い〜
その時、俺は、ただ、そばに居よう。

それしか考えていなかった。

不安に揺れる彼女をただ、抱き締めていよう。

アパートの階段をのぼりながら、携帯を彼女へと繋ぐ。


『瞭くん?』


二時間ほど前に、たわいもないメールを交換した。

おやすみ、と締めくくったメール。


「寝てた?ごめんな。開けてくんない?」


『え?』


「ドア、開けて?」


『ドア……?あ………!待って、今、開ける。』


ドアの向こうから聞こえてる鍵を開ける音。

開いたドアの向こうで、びっくりしてる。


「ごめん。寝てた?」


淡いグリーンのセーターにジーンズ。

寝てた?なんて一応の挨拶をしてみる。


「………どうして?」




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