虹に降る雨〜瞭の想い〜
「瞭くんの天使でいる。」


そう言って、こぼれた涙にそっとくちづけた。

涙を伝い触れた唇は、小さく震えていて、壊れそうだった。

だから、大切に、大切にくちづけた。

止まらない涙の行方を想いながら、絶対に離れちゃいけないと心に誓った。









家族の愛に恵まれず育った君が、自分に言い聞かせるように呟く言葉。


『大好き』


これからは、俺が君に伝える。


『大好きだよ。』


だから、もう、怖がらないで。

俺は、ずっと、大好きだから。

一人にはしないから。




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