虹に降る雨〜瞭の想い〜
「私も……逢いたかっ…」


言い終わらないうちに合わせた唇。

冷たい唇が、あっというまに熱くなる。

久しぶりに触れた彼女を感じながら、心がとろけそうになった。


「はぁ……ヤバイ。」


「瞭くん?」


離した唇が、熱をもっておかしくなりそうだった。


「やめときゃ良かった。」


堪えた分、刺激が強い。


「瞭くん?」


可愛い声で名前を呼ばないで。


「大丈夫?」


大丈夫じゃないんです。

ゆっくり抱き締めた腕の中。

頭を横切るヨコシマな考えを必死に振り切る。


「やっぱ駄目だ。」


振り切れない。


「愛してるんですけど。」


「………瞭くん?」


朝なのに………。










不謹慎な事しか思い浮かばなくなってきた。



< 4 / 32 >

この作品をシェア

pagetop