虹に降る雨〜瞭の想い〜
見上げる瞳
「よぉ、おはよう。」


「おはよう。早いじゃん。」


「俺はいつも一時間前行動ですから。」


「嘘つけ。初めて聞いた。」


「やっぱ?ま、新年だし、たまには良いかと。」


「たまにじゃなくていつもにしてもらえませんかねぇ。塁くん?」


ストレッチをする俺の目の前に、肩をすくめる俺の相棒と、その肩に手を掛けたまま真顔のマネージャーが一時停止をした。

仕事初めは、3月頭に出る新曲の振り付け。

いつものように、一時間前に現場入り……今日は事務所にあるレッスン室だけど。










俺の仕事はアイドル。

中学2年の春。

面白そうだと塁と一緒に出した履歴書。

もちろん、二人ともデビューなど考えてもいなかった。


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