faKe anD Real


「阿部君です。仲良くしてねー!」

「ちぇー、男かよー。」

「何か格好良くない!?」


「…。」


何が起きたのか解らなかった。
皆の囁く声も、担任の声も聞こえない。

只、目の前の現実に打ちひしがれていた。


―――ブー!!

勢いよく携帯の振動音がした。

『送信者:美琴
件名:やっほ(ω)
本文:何か格好良いよね。あの人。
美琴』

美琴の方を見る。
何故か、美琴はニコニコしていた。
私も笑ってみたが、その笑顔が引き吊っているのが分かった。

『件名:Re:やっほ(ω)
本文:そお??それより、美琴の場合は篤君の方がいいんぢゃない??(-ω-*)


送信した後、もう一度美琴の方を向いてみる。
案の定、美琴は顔を赤くして「ばか」と口パクで言っていた。
< 17 / 40 >

この作品をシェア

pagetop