faKe anD Real
「阿部君です。仲良くしてねー!」
「ちぇー、男かよー。」
「何か格好良くない!?」
「…。」
何が起きたのか解らなかった。
皆の囁く声も、担任の声も聞こえない。
只、目の前の現実に打ちひしがれていた。
―――ブー!!
勢いよく携帯の振動音がした。
『送信者:美琴
件名:やっほ(ω)
本文:何か格好良いよね。あの人。
美琴』
美琴の方を見る。
何故か、美琴はニコニコしていた。
私も笑ってみたが、その笑顔が引き吊っているのが分かった。
『件名:Re:やっほ(ω)
本文:そお??それより、美琴の場合は篤君の方がいいんぢゃない??(-ω-*)
』
送信した後、もう一度美琴の方を向いてみる。
案の定、美琴は顔を赤くして「ばか」と口パクで言っていた。