faKe anD Real
それに対しては笑っておく。
でも内心笑うなんて余裕はなかった。

「…っ!!」


阿部は顔色一つ変えずに、指定された席に座る。


当たり前だ。
阿部は私の存在なんて知らない。
私が一方的に思っていただけの事。

そう、阿部は知らないんだ。


三年間、阿部の頭の中にこれっぽっちもいなかったんだ。


『初恋』がこんな形で返ってくるなんて…

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