faKe anD Real
それに気付いたのは次の日の事だ。

メールは美琴からで、篤君との進展を知らせるものだった。

私は『ごめん。携帯不携帯してた。』とだけ返した。


学校に行くと、美琴が篤君と楽しそうに恥ずかしそうに話していた。

顔を赤らめて、精一杯はにかんでいる。

「あ!!琉流!!じゃあ、また後でね。」

美琴は篤君に手を振り、私に近づく。

「おはよ。」

「お…おはよう…メールの返事…適当っぽくってごめんね。」

すると、美琴はきょとんとする。

「え??それより、昨日元気無かったけど平気…?」

美琴は美琴なりに私を心配してくれている。
私は何で答えたら良いか分からなくなった。
とっさに思い付いた言葉を口にする。

「…ちょっと、疲れただけだから!!」


美琴は、不思議そうな顔をしながらも、「そっか」と答えた。

そして…


< 22 / 40 >

この作品をシェア

pagetop