faKe anD Real
「おー阿部ぇ。おはよー。」
「うっす。」
クラスメイトの言葉。
それが私の胸に突き刺さった。
全身から血の気が引く感覚を覚える。
私はこれほどまでに阿部を恐れている。
そう思うだけで精一杯だった。
「あ。阿部君、おはよう。」
「おはよ」
美琴は普通に阿部と接していた。
私にとって、その行為がどれ程羨ましいものだろう。
「…。」
美琴は、気がつけば阿部と会話を交していた。