faKe anD Real
「琉流…阿部君が好き?」

「え…?」


唐突な質問は、私を混乱させた。
美琴の目は、私をじっと見つめている。

「あたしは…篤君が好きだから…。

きっと琉流も…同じ気持ちのはずだよ…。」


そう言って美琴はしゃがみ込む。

「はい、ハンカチ。学校戻ろう…?」


その優しさに、私はしがみついた。
美琴は穏やかな目で私を見る。


美琴が言ったあの言葉。


「同じ気持ちのはず」


それを理解したのはすぐの事。

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