faKe anD Real
ねぇ、それってどういう事なのかな?
美琴は篤君が好き。
美琴は『恋愛感情』を抱いてる。
「同じ気持ち…かあ……。」
「琉流?」
自分の名前を呼ばれて私は我にかえった。
「あ、うん。ごめん。何でもない。」
動揺の感情を隠せない。
私が話していたのは、美琴ではなく『阿部』。
少しハスキーがかった声。
心臓が激しく波打つのがわかる。
「なら良いけどさ…。」
阿部は視線を落としながらため息をついた。
呆れられているな、と自分を潮笑する。