faKe anD Real
何時もより遅めに帰路についた私。
怒られるかと思いつつ、家に帰ると、案の定お母さんが凄い形相で玄関に立っていた。

「今何時?」

「八時です。」

「いつも何時に帰ってこいって言ってる?」

「もう中学生じゃないんだからさ〜」

おどけて私が笑ったら、お母さんはため息をつき、そのまま居間に戻ってしまった。

とにかく部屋に荷物を置こうと、二階へと向かう。


「疲れたあ!!」

そう言ってベッドに倒れ込む。最近は『疲れた』が口癖になっていると、つくづく思う。

「あ。メールだ。」

携帯のライトが明るく光を放つ。
私は急いで携帯に手を伸ばした。

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