クリスマス・イブ
「まぁいいけどさ、とりあえずケーキ食べようぜ」
「じゃあっ、今日は心の特別な日ってことでアーンしてあげる!」
「はっ?」
「してもらいたいんでしょ。」
「いや、別にいいし。」
本当は、本当はやってもらいたい。だけどそんな事言えない。
「してあげるからっ。はい、アーン…。」
ケーキが刺してあるフォークを俺の口の中に入れようとする。すかさず俺も口を開いてしまった。
「おいし?」
「旨いに決まってんだろ。これ、店のケーキなんだぞ」
「違う!アタシが食べさせたからもっと美味しく感じたんでしょ」