おばあちゃんの約束。短編[完]
彼は何かを決意し
側にある一つの
赤いボタンに
手を伸ばした。
それを見た彼女は
『ダメっ!!エリックっ!!止めてええええっ!!』
と叫びスピードを上げる。
だが彼は手を止めず
ボタンを押した。
『いやっ!!エリックっ!!私っ、あなたを愛してるっ!!あなたと別れたくないっ!!』
『ヘンリー・・・。俺の分まで生きてくれ。俺も君を愛してる。』
彼も彼女も涙を流す。
さっきのボタンを
押すと1つの
部屋を
天井と床から
出てくるガラスで
仕切り、隔離
してしまうらしい。
彼を追っている物は
彼の領域に入っている。
あと少しで彼女は
彼の元に着く。
だが、あと少しで
ガラスで完全に
仕切られてしまう。
彼女は彼に
手を伸ばした。
ガシャン。
手は彼に届かず、
ガラリは完全に
閉まった。
彼女はガラスに
へばりついて、
何度も何度も
ガラスを叩き
彼の名を叫び
涙する。
ガラスの中の彼は
彼女に精一杯
笑顔を向けた。
彼と彼女は
ガラス越しに
キスを交わし、
大量の涙を流した。
そして彼は
無残に殺された・・・。