おばあちゃんの約束。短編[完]
母は少し涙を流しながら、「お茶、入れてくるね。」と言い、部屋から出て行った。
1人になった途端に、涙が溢れ出た。
「うっ・・・うっ・・・」
声を押し殺し、側にあったクッションに顔をうずめた。
「智果、入れてきたわよ。・・・どうしたの??智果。」
母が入ってきた。
私は泣き顔を見せれば、また母が心配すると思い、クッションに顔をうずめたまま、なんでもない、と言った。
こんな事で誤魔化せるとは、思っていないが・・・、母はどうするのだろう。
コトッ
「お茶を飲んでから、ゆっくり寝てなさい。あと、」
「おばあちゃんの水晶玉置いておくわね。」