おばあちゃんの約束。短編[完]
誤魔化せた。のだろうか。
母はお茶と水晶玉を置いて部屋から出て行った。
「水晶・・・玉・・・っ」
水晶玉はおばあちゃんの、世界で一番大切な物。
私が貰っても、良いのだろうか。
だが、手に取りたくて、仕方がなかった。
スッ
と水晶玉に触れた瞬間、
バチッ!!!!!
「きゃっ!!」
手に電流が流れた気がした。
だが、私の心は、それと同時に、ポキッと折れた。
「うわあああああんっおばあちゃあんっおばあちゃあんっ!!」
涙は止まらない。
私の哀しみは、消えない。
水晶玉を抱きかかえ、私は永遠と泣いた。