【短編】tiara
そーちゃんの声が好きだった
低くて、とても綺麗な声
紗枝って名前を呼ばれるたびに
ドキドキした
そーちゃんの手が好きだった
そーちゃんに勉強を教えてもらってて
テストでいい点数を取ったとき
頭を撫でられた
撫でられた頭が熱く感じた
そーちゃんの優しいところが好きだった
私が病院で走ってて転んだとき
怒りもせずに私の怪我の心配をしてくれた
痛くなくなるおまじないをしてくれた
転んでおまじないしてくれるなら
何回だって怪我してやるって思った