野獣狂想曲

《過去》

日曜日。

私はコンクールの会場の前にいた。

1年前、私はこの場所で、観客の前でピアノの旋律を奏でていた。
絶賛を博して、注目の的だったあの頃。

それが今では、聴く側。

こんな未来が来るなんて想像もしなかった。



逃げ出したくなる衝動を抑えて会場への一歩を踏み出した。





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