野獣狂想曲
ほんの少し開いたドアの隙間から中を窺った。
丁度ピアノの前に座っている人が見える。
あの金髪は…
月島蓮?
月島蓮は私の1つ上の先輩で、周りからは野獣と呼ばれている。
因みに、野獣の由来は誰にも懐かないかららしい。
確かに彼はいつも見ても一人だ。
そう言えば、一度だけ彼と目が合ったことがある。
あれは確か、桜が雪のように舞っていた日だった。
その時もやっぱり彼は一人で、ただ静かに桜を見ていた。
私も桜を見上げたとき、突然風が吹いて思わず顔をそらした。
その風でさらに花びらが散っていく。
風が通りすぎ、また前を見ると月島蓮がこっちを見ていた。
目が合った瞬間、大袈裟かもしれないけど、時間が、世界が止まったと思ったんだ。
射抜くような視線。
怖いけど、何故か目がそらせない。
冷たくて、でも力強くて。
まるで獲物を狙う野獣みたいな目だった。
その日、私の中で
月島蓮=『怖い』
って方程式が出来上がったんだ。
丁度ピアノの前に座っている人が見える。
あの金髪は…
月島蓮?
月島蓮は私の1つ上の先輩で、周りからは野獣と呼ばれている。
因みに、野獣の由来は誰にも懐かないかららしい。
確かに彼はいつも見ても一人だ。
そう言えば、一度だけ彼と目が合ったことがある。
あれは確か、桜が雪のように舞っていた日だった。
その時もやっぱり彼は一人で、ただ静かに桜を見ていた。
私も桜を見上げたとき、突然風が吹いて思わず顔をそらした。
その風でさらに花びらが散っていく。
風が通りすぎ、また前を見ると月島蓮がこっちを見ていた。
目が合った瞬間、大袈裟かもしれないけど、時間が、世界が止まったと思ったんだ。
射抜くような視線。
怖いけど、何故か目がそらせない。
冷たくて、でも力強くて。
まるで獲物を狙う野獣みたいな目だった。
その日、私の中で
月島蓮=『怖い』
って方程式が出来上がったんだ。