赤色の桜-短編-


「12年前、この高校でいじめがありました。

彼女は毎日、毎日、殴られ蹴られて..本当につらい毎日をすごしていました。

その彼女は、辛さに耐え切れず、桜に木で首をつって自殺した..」


そこまで言えばわかる。

「じゃあ..。桜の花びらが赤く見えるのって..」

カレンは表情を変えずに答えた。



「その少女の..血。」




がらがら___

保健室の扉が開いた。
怖い話をしていたせいか、一瞬からだが震えた。



「野村さ-ん。これ、買ってきたから..食べたら教室に戻りなさい。」


「あ。はい。....あ、先生、この子が体調悪いそうです。」

そう言って涼子はカレンの座っていたところをさした。


「野村さん?何言ってるの?誰もいないわよ??」

先生の言葉で自分の指先をみるとカレンはいなかった。

涼子はおかしいな。と思いつつ、食欲に勝てず涼子は気にせずにいた。

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